真四角の総二階のお家って皆さんどう思いますか?
なんか、建売住宅みたいで安っぽいとか、外観に変化がなくかっこ悪いなどというネガティブな感想をお持ちの方も多いかと思いますが、なんとなんと真四角の総二階の家はとってもメリットが一杯なんです。
今回はそんな真四角の総二階の家のメリットを紹介します。
総二階を建てるべき6つの理由
- 建築面積が小さい
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総二階のお家の特徴は、同じ延べ床面積なら建築面積が一番小さく済むという事です。建築面積とは建坪とも言いますが、まぁ簡単に言うと家の基礎の面積です。建坪が小さくすむという事は、敷地の面積が小さくすんだり、敷地の使い方に余裕ができたりします。
敷地が小さくすむのであれば土地探しの時に選択できる土地の幅が広がりますし、小さな土地でも大丈夫なのであれば安くすみます。土地が決まっていれば庭の面積を広く取れますし、日射取得のために隣の建物との距離を離す事もできます。
建築面積が小さいという事はとってもよい事だらけなんですね。
- 建築費用が安い
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総二階の家は、屋根の面積や外壁の面積が少なくてすみます。同じ体積なら球体が一番表面積が少なくてすむのですが、球体の家を建てるのはなかなか難しそうなので、通常家の表面積が一番小さくなるのは立方体の家になります。真四角の総二階の家ですね。
基礎の大きさが小さく、屋根の面積や外壁の面積も少なく、使用する木材の量も少ないので材料費が安くすむのは当然ですが、真四角の総二階のお家は構造が単純な事からとても建てやすく、大工さんの工期も短くてすみます。
すなわち、材料費から人件費まで何もかも安くすむというわけです。
良心的な工務店なら安い価格の見積もりを出してくれるかもしれませんし、ハウスメーカーでよくある「延べ床面積×坪単価」の計算で見積もりを出してくる会社なら、価格交渉の材料にもなります。
もし仮に、安くならなかったとしてもメーカー側は儲けを十分に確保できている状態なので、建築中に何かトラブルに見舞われても追加変更などをわりと聞いて貰いやすくなります。
- 地震に強い
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真四角の段ボールの上に荷物を置いてもなかなか丈夫で潰れにくいのと同様に、真四角の総二階の家は、その構造上何も考えなくても丈夫にできてしまいます。
耐震性能を上げようと思ったら、壁をたくさん作ったり、1階と2階の壁をそろえて直下率を上げる工夫をしたりします。もちろんそれらは総二階の家にも当てはまりますが、さらに真四角の総二階は家の四隅で均等に揺れに耐えるため地震に強い構造となりやすいです。
一方、下屋があったり、オーバーハングしていたりと構造が複雑な家は、地震の時に家の荷重がどこか一点に集中してしまって、そこから家が壊れてしまう懸念があるため、構造計算をしっかりする必要があります。
そして、今の木造住宅は構造計算を法律で義務づけているわけではないため、ちゃんとしていない会社で家を建てた場合、実際は地震に弱い建物である可能性もあります。
また、家の重心と剛心の乖離具合を示す偏心率という値が、地震に対する建物の強さに強く関係するのですが、真四角の総二階の家は構造が単純なため、偏心率を低く設計しやすいというメリットもあります。
下屋のある家や、2階の方が面積が大きいオーバーハングしている家などに比べると格段に耐震性能を高くしやすいというメリットがあります。
- メンテナンス費用が安い
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家の外壁にサイディングなどを使っていると、10年ないし15年ごとに外壁のメンテナンスをしなければいけませんが、そもそも複雑な形状をしている家より使っている外壁材の量が少ないので、メンテナンス時にも安くすみます。
また、家の周りに足場を組んで作業をしますが、単純に真四角の足場を組めばよくそこでも有利です。
下屋などが無いので施工が単純なため、雨漏りなどのリスクも低く、最もランニングコストに優れた形状だと言えます。
- 断熱気密に有利
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最近の家に求められる性能の一つに高気密高断熱があります。高気密高断熱を実現している家は冷房費も暖房費も安くすみ、さらに家の中の温度が均一に近くなるため、大変過ごしやすい家になります。
真四角の総二階の家は断熱気密性能を上げやすいというメリットもあります。
断熱性能の指標であるUa値は外皮等面積が小さいほどよい数字が出ます。熱を効率よく外に逃がすためにはラジエーターのようにできるだけ表面積を大きくするのが有利ですが、できるだけ熱が逃げないようにするためにはなるべく表面積を小さくする方が有利です。理想的な形は球体ですが、家の場合は真四角の総二階が理想型となります。
気密性能についても、家の形状が簡単なため難しい気密処理をしなければならない場所が少なく、性能を上げやすいというメリットがあります
- 施工ミスが起こりにくい
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複雑な形状の家を作るより、単純な形状の家を作る方が簡単です。練度の高い大工さんであれば複雑な形状でも大丈夫でしょうが、より作りやすい家の方がミスは少なくなるのは容易に想像できます。
練度の高い大工さんが担当すれば、より気密性能や断熱性能も上がるでしょう。そうでない大工さんでもわりと性能を出しやすい形状と言えます。
作りやすい家を建てて貰うという事は施工ミスというリスクを回避するという面においても十分にメリットとなります。
では総二階の家のデメリットといったらどんなところになるでしょうか。
私的にはほとんどデメリットというデメリットは感じられませんが、強いて上げるなら以下の2点かと思います。
総二階の家のデメリット
- 外観が安っぽく見えてオシャレじゃない。
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一般的に建売住宅は真四角の総二階の家が多いです。その理由は単純に建築費用を一番安く抑えられる為だと思います。
そのために、真四角の総二階の家を安っぽい家だという人が一定数いる事は事実のようです。
まぁ家単体で見ればなんとなく安っぽく見えるのも分からないではないのですが、家全体の雰囲気を決定するのは実は外構だったりします。
外構計画のしっかりしている家であれば、たとえ真四角の総二階の家を建てたとしても、十分にオシャレに見せる事は可能だと思います。
特に、予算ギリギリで家を建てる場合、家の建築費用を安くすませ、その分外構にお金をかけた方がよく見えたりするかも知れません。
まぁこれはデメリットというより好みの問題かも知れませんね。
- 1階の床面積が足りなく、2階の床面積が余ってしまう
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おそらく、総二階にできない最大の理由がこれだと思います。
通常の一般的な間取りを考えると、1階に必要なものは「玄関」「シューズクローク」「トイレ」「キッチン」「ダイニング」「リビング」「風呂」「脱衣場」「洗面所」「客間」等々になります。
一方、二階に必要なものは「寝室」「子供部屋」「クローゼット」「ベランダ」ぐらいでしょうか。
普通に家の間取りを考えていくと、一階の方が圧倒的に色々必要なんですね。感覚的に言うと平屋の上にちょっと部屋をのっけるといった感じでしょうか。
夫婦二人なら1階だけで十分生活できるけれども、広い寝室や子供部屋が欲しいから二階建てにするという感覚でしょう。
どうしてもこういった家を建てたいと言う事であれば、総二階にすることは無理だと思いますが、間取りを工夫する事で結構いける事もよくあります。
例えば、吹き抜けを作って2階の面積を少なくするとか、2階をリビングにして1階に寝室と子供部屋とお風呂を配置してしまうとか。あとは、1階にリビングで2階に水回りと部屋を配置するなどです。
特に吹き抜けを作る場合は、高気密高断熱でなければ、1階の寒い不快な家になってしまうので、真四角の総二階の方が有利ですよ。
いずれにせよ、ここはちょっと間取りの工夫が必要になるところではあります。
いかがでしょうか。総二階の家がいかに優れているか分かると思います。多少工夫しなければなならない部分はありますが、それを補っても有り余るメリットがあります。
特に、耐震的に有利、高気密高断熱に有利というのが大きいと思います。安いかつ性能が高いなんてなんて魅力的なんでしょう。
家づくりを進める前に頭の片隅に入れておくと良いかも知れませんよ。
![](https://maruchannel.com/wp-content/uploads/2018/11/b07f99413fb2e6bde530dcf8cb81c861.jpg)
まる家では総二階を実現するために、水回りを2階にしました。実際の住んでみての感想を記事にしましたので、よろしければこちらもどうぞ。
![](https://maruchannel.com/wp-content/uploads/2019/08/IMG_7146-160x90.jpg)
まる家の洗面台の工夫についての記事はこちら。
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